立烏帽子(たてえぼし)
鈴鹿山(すずかやま)にあらわれたという女(おんな)の山賊(さんぞく)で、大変(たいへん)美(うつく)しい人(ひと)であったといわれます。「鈴鹿御前(すずかごぜん)」ともよばれ、鈴鹿山(すずかやま)の山賊(さんぞく)のかしらである悪路王(あくろおう)の妻(つま)でした。天皇(てんのう)の命令(めいれい)で立烏帽子(たてえぼし)を退治(たいじ)にきた坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)のことが好(す)きになり、田村麻呂(たむらまろ)が悪路王(あくろおう)をうちとるときに手(て)を貸(か)したと言(い)います。もとの話(はなし)は、『御伽草子(おとぎぞうし)』という本(ほん)にのせられていますが、いろいろな形(かたち)の話(はなし)があり、数多(かずおお)くの演劇(えんげき)や小説(しょうせつ)などにとりあげられています。