亀山市教職員研修講座 「歴史博物館活用研修会」
平成25年8月8日(木)、亀山市教職員研修講座「歴史博物館活用研修会」を当館に於いて開催しました。市内の先生方17名が参加されました。
研修会は、次のような内容でおこないました。
1.地域学習支援事業について〜学校と博物館の連携を考える〜
平成24年度から取り組んでいる地域学習支援事業について館長から話をしました。
「博物館って何?」「学芸員って何?」博物館の概略を説明しました。「博学連携」は博物館法でも学習指導要領でも唱われていますが、学校と博物館の連携はなかなか進んでいないのが現状です。
亀山市歴史博物館では、「博学連携」はこれからの歴史博物館の役割と位置づけ最優先で取り組んでいることを説明しました。子どもたちに「地域」を伝えるためには、「亀山市の歴史ソムリエ」とでも言う歴史・考古・民俗が専門の学芸員を使ったもの勝ちです。子どもたちは「五感」でものを見ます。本物に触る事で、ささやかな興奮・刺激・想像をかき立てます。単に知識を得るものではない、広い視野での理解を促します。
「亀山市ってすごいやん!」と感じる授業のお手伝いをしています。
2.歴史的資料を活用した模擬授業
歴史的資料を活用した模擬授業は、小学3年社会科の「昔の道具とくらし」と中学歴史の「江戸時代の文化」の2時間を体験してもらいました。
「昔の道具とくらし」の模擬授業では、先生方は講義室に入ったときから展示されている昔の道具に興味を示していました。先生方に小学3年生になりきってもらい、クイズ形式で解答してもらう中で一つ一つの道具の使い方、材料等を説明しました。
<写真資料>箱膳 、飯櫃 、よさ(飯ふご)、電気炊飯器、押寿司の型、氷冷蔵庫、蓑 、わらぞうり、あさぶら(裏面に自転車の古タイヤを付けたぞうり)、わらじ、牛のわらじ、牛の鼻木 、洗濯板とたらい、絞り機付き電気洗濯機
実物資料に関する写真
「江戸時代の文化」の模擬授業では、各グループの机に配置された江戸時代の文化の表れとして紹介されている実物資料を調べます。提示された資料目録や学芸員の説明などを参考にしながら調査カードに記入しました。各グループが調べた資料のセールスポイントを発信して他の班の人に宣伝をしました。どのグループも資料のすばらしさや値打ちをアピールする事ができました。
資料「絵本亀山話」「北野天満宮境内図」 グループがつけた商品名 「穴あき北野天満宮」 |
資料「和蘭文典」「訳鍵」 グループがつけた商品名 「スピードラーニング」 |
資料「浮世絵帳(狂歌入東海道) 亀山・関・坂下」 グループがつけた商品名 「なぞとき物語」 |
資料「坤輿万国全図」 グループがつけた商品名 「超激レア掛け軸世界地図6枚組」 |
2時間の模擬授業では、今までに見たことのない資料を手にしたり、貴重な資料に感激したりしながら、子どもたちの感性に負けられないと真剣な様子の先生方でした。
3.バックヤード見学と展示観覧
最後は、バックヤード見学と展示観覧でした。館長の解説を聞きながら「亀山の歴史」を年代順に観覧してもらいました。バックヤード見学は、ゆっくり所蔵品を見ることができなかったので、残念だったことと思います。
2階 常設展示室 |
1階 企画展示室 |
〜先生方の感想から〜
- 昔の道具で初めて見るものが多かったです。3年生3学期の社会科で、ぜひ子どもたちにこの道具を見せてあげたいと思いました。
- 博物館を利用する大切さがわかりました。実物を見ることで興味がわき、もっと知りたいと思えました。子どもの頃から歴史に触れる機会をもつ必要があるなと感じました。
- すごいです。こんなにもたくさんの資料があったとは。やはり実物を見ると違いますね。子どもたちも感じることが多いと思います。
- 実際に本物を見ることが、こんなにも魅力的で楽しいものだということを感じました。こんなすばらしい体験は、ぜひ、子どもたちにもさせてあげたいなと思いました。
- 実物を間近で見ると、モチベーションも高まり私もわくわくして体験させていただきました。教科書で見るより、何倍も興味をもてるのだなと学ばせていただきました。
- 学校の授業の中でも、積極的に博物館を活用しようと思いました。実際に見て、触れて、学べることはとっても有意義だと思いました。
- 昔と今のつながり(移り変わり)を感じることができました。
- 昔の道具について、クイズ形式にしてみたり、意外な使い方をしたりすることで子どもたちの興味を引きつけることができると感じた。また、商品を売るということで全員がしっかりと調べることができるなどの工夫を参考にしていきたい。博物館を利用していきたいと思った。
- 3年生を担任しているので、今日のクイズ形式の勉強はとても参考になりました。子どもが興味を引くような仕掛けを作りたいです。
- 1年生を担任していますが、1年生でも“ミッケ”などとても楽しめるものだと思いました。私自身、歴史はとても苦手意識を持っていたのですが、クイズや売るという設定などとても楽しかったです。このように子どもたちに教えたり、提示したりするといいのだとたいへん勉強になりました。
- 歴博の文化財や学芸員さんと学校を繋ぐ活動が始まったということが理解できた。
- 亀山市歴史博物館が学校との連携にたいへん尽力されていることが分かりました。
- 亀山市の歴史から日本の歴史へとつながること、現物を見ることの大切さを学びました。とても興味・関心がわきました。積極的に博物館を活用したいと思います。
- 歴博のスタッフのみなさんがより身近な方に感じられるとても良い機会になったと思います。