亀山市教職員研修講座
「亀山市歴史博物館活用研修会」
「実物資料との対話」
平成27年8月20日(木)今回で3回目となる亀山市教職員研修会「亀山市歴史博物館活用研修会」を実施しました。
普段は間近に見たり、触れたりすることのできない実物資料に触れ、その資料からわかること疑問、もっと知りたいことなど地域の歴史を探究する研修会でした。
<城下町亀山だから残っている資料>
亀山に武士が暮らしていた 時代がありました |
初めて真剣を持ちます 気を付けてください |
「亀山鐔」を手に持って、じっくり観察!! | 板倉家・石川家中の屋敷割絵図 所替では大名の菩提寺も大名と共に引っ越します |
「太刀」と「刀」の違い | 模造刀で「しのぎを削る」の語源を説明 |
<浮世絵を楽しむ>
日常を描いた「浮世」の「絵」 その中の木版画の浮世絵 |
北斎と広重を見比べると 色合いの違いに気が付きます |
この旅籠は「江さき屋」!? 版元の名前を宣伝した初代歌川広重の遊び心 |
ここにも初代歌川広重のユーモアが 幕、提灯・・・よく見てください |
じっくりと見入る先生 | 「役者絵」「源氏絵」「おもちゃ絵」など いろいろな浮世絵があります |
<交通の要所「亀山」と言われる所以>
鈴鹿関は律令で決められた 「三関」の一つ |
一年間の公文書の目録を記して 太政官に提出した「伊勢国計会帳」 |
年号や名前が読めますか? | 鈴鹿関を封鎖するとき、 使者の確認に使われた割符「固関木契」 |
常設展示室に鈴鹿関跡で出土した瓦などを展示しています | 熱心に質問をする先生 |
一つ一つの資料に釘付けされるほど見、学芸員に質問し、地域の歴史を熱心に学ぼうとする先生方でした。
資料の持つ力を肌で感じていただけたのではないでしょうか?
☆参加された先生方の感想から☆
- 授業などの中で直接活かせるというよりは、亀山や歴史を知るいい体験になりました。本当に切れる刀を持たせていただいたのは初めてで、ずっしり重みを感じました。浮世絵は、絵の中に隠された秘密を知ることができ、浮世絵の魅力が分かりました。現代に居ながら、一昔前の時代に戻ったような不思議な気持ちになりました。
- 亀山といえば、東海道の宿があるということで江戸時代との結びつきが強いイメージを持っていましたが、奈良時代にも関として大きな役割を担っていたことに驚きました。太刀と刀の違いや、浮世絵の話も授業中の雑学の一つとして活用したいと思います。
- 亀山の歴史は勿論ですが、歴史全体の中で、どんな位置にあるのか少しはわかりました。実物を見ると、さらに不思議がわいてきますが、それが子どもの探究心につながるのだろうと思います。
- 亀山に残る資料は浮世絵など江戸時代のものが多く、特徴的なものは江戸時代の印象は強かったが、奈良時代のつながりは、初めて知ったことが多くて驚いた。鈴鹿関というのも3つの関のうちの1つであり、重要な場所であることがわかった。今あまり知られていないことが残念なほどです。江戸時代の実物も多くあって、刀を実際に持てたり、つばを裏表触って見れたりできたことは、とても貴重な体験でした。「実物との対話」が出来て、非常に楽しく、学ぶことの多い日でした。
- 興味がない分野であっても、教科書に載っているものが目の前にあるだけで関心を持てるようになる気がするので、うまく活用するために、私自身が勉強していかなくてはならないと思いました。実物を見るにしても、知識がなければ、博物館に来ても面白くないので、学芸員さんの話を聞く機会はできるだけ活用していきたいです。教科書の歴史は他人事のように思えるが、地元に関することだと身近で「聞いたことある」と思えることも多いので、教科書と地域の歴史をうまくリンクさせることのできる授業が出来るスキルを身につけたいです。
- 今日の研修で知らないことをたくさん知った。「切羽詰まる」や「しのぎを削る」が刀にまつわる武士用語であることや大名は、1万石以上の石高を持つ者であるなどだ。このように、豆知識を知っていることで子どもたちも興味をもってくいついてくると思う。また、本物に触れるというのはとても大切なことだと思うのでとてもよい機会になった。
<提示資料>
- 亀山鐔 笹竹に白鷺図(銘勢州亀山住国友貞栄作)
- 亀山鐔 無文図(銘勢州亀山住国友貞栄作)
- 亀山鐔 唐草図(銘貞栄)
- 間鐔 蛤図(銘間)
- 間鐔 俵に松葉図(銘間)
- 間鐔 熨斗図(銘間)
- 太刀(銘則包)
- 刀(赤羽刀)
- 脇差(銘(表)手柄山甲斐守正繁(裏)享和三年八月吉日彫同作)
- 膳所城亀山城受取のときに双方が取極めた内容が分かる幕府からの通達文 (館蔵加藤家文書35-00-011 001)
- 本多俊次時代の侍屋敷地(館蔵加藤家文書52−0−8)
- 亀山城下石川昌勝家中屋敷割絵図
- 亀山城下板倉家中屋敷割絵図
- 亀山城下板倉家中屋敷割絵図(延享元年)
- 葛飾北斎「亀山 関へ壱里半」(春興五十三駄之内)
- 初代歌川広重「東海道五拾三次之内 亀山 雪晴」(保永堂版東海道)
- 初代歌川広重「東海道五拾三次之内 関 本陣早立」(保永堂版東海道)
- 初代歌川広重「東海道五拾三次之内 阪之下 筆捨嶺」(保永堂版東海道)
- 初代歌川広重「東海道五拾三次之内 亀山」(狂歌入東海道)
- 初代歌川広重「東海道五拾三次之内 関」(狂歌入東海道)
- 初代歌川広重「東海道五拾三次之内 阪之下」(狂歌入東海道)
- 初代歌川広重「東海道五十三次之内 亀山」(行書東海道)
- 初代歌川広重「東海道五十三次之内 関」(行書東海道)
- 歌川芳員「東海道五十三次之内 亀山 せきへ一り半」
- 初代歌川広重「五十三次 亀山」(人物東海道)
- 初代歌川広重「五十三次 関」(人物東海道)
- 初代歌川広重「五十三次名所図会四十七 亀山風雨雷鳴」(竪絵東海道)
- 初代歌川広重「五十三次名所図会四十七 亀山風雨雷鳴」(竪絵東海道)
- 歌川芳幾(芳一九)「東海道中栗毛弥次馬 亀山」
- 初代歌川広重「忠孝仇討図会 亀山咄」
- 四代歌川豊国「書画五拾三駅 伊勢亀山倶不戴天」
- 三代歌川広重「東海名所改正道中記五十 旅人留女 亀山 関迄壱り半」
- 二代歌川豊国「せんどう 中村芝翫」
- 三代歌川豊国「其姿紫の写絵廿一」
- 歌川芳藤「しん板いせうつけ」
- 歌川芳政「新板せたい道具尽し」
- 歌麿『芸妓』浮世絵キット(参考資料)
- 版本 「倭名類聚抄」
- 東大寺古文書「伊勢国計会帳」(複製)
- 版本「令集解」
- 固関木契(複製)
- 重圏文軒丸瓦
- 丸瓦
- 平瓦
- 須恵器 平瓶
- 鞴(ふいご)羽口