亀山市川崎小学校3年生社会科出前授業
「昔からつたわる地いきの行事」


 平成26年2月21日(金)に亀山市立川崎小学校3年生へ出前授業に行きました。
 校区内に伝わっている行事を知り、それぞれの行事にこめられた人々の願いや行事を伝えていく大切さを考える1時間でした。

<亀山大市行ったことある?>

館長が挨拶しています
 「亀山大市へ行ったことありますか?」

 ほとんどの子が行ったことがありました。
 1月の終わり頃に大市があります。
昔のカレンダーは今より1ヶ月ほど遅かったので、今の1月の終わり頃は、昔の12月の終わり頃でした。

<行事って、いっぱいあるね>

 「12月の終わりは?」
 「年末!!」
 大市は、年末の大売り出しでした。
 お正月のための買い出しが、大市の始まりでした。100年以上前から続いています。

昔の大市の写真を見ています
<ねんねこばんてんを着てる!!>

<亀山市納涼大会知ってる?>

昔の納涼大会の写真を見ています
 今は、亀山公園でしています。
 80年くらい前の納涼大会は今の市役所(当時は亀山西小学校のグランドでした)の所でしていました。

 夏、暑くて食欲が出ない。冷蔵庫がないのでおなかをこわすことも多かった。でも、元気を出して病気にならないようにしようと、みんなで踊りました。

<灯りや台があり、回りで踊るのは今も同じ>
 行事は季節や人々のくらしと関係しています。


<太田の「かんこ踊り」を紹介します>

太田のかんこ踊りの写真です  かんこを持って踊るので、「かんこ踊り」。 かんこは軽いので持って踊れます。太田では、ばちを持っていますが、かんこをたたかずに踊ります。
 ほら貝は昔のラッパです。自分たちが普段使っている道具を使って、かっこよく見えるように工夫して踊りました。
 踊ると、神様やご先祖様も喜ぶだろし、地域の人もみんな楽しめるだろう。
 太田のかんこ踊りは、亡くなった人の霊を慰めるために踊る、お盆の行事でした。
<亀山市史の民俗分野のページで見られます>
かんこの実物です ほら貝です
<この太鼓を「かんこ」といいます>  <踊りに使ったほら貝です。でっかい!!>

<田村の「灯籠送り」って知ってる?>

灯籠送りの様子です
 田のあぜ道を通って安楽川の川原まで歩いていきます。
 たいまつで田のあぜをあぶり、稲の害虫を追い出しています。「おん霊」が虫になって稲を荒らして人々を困らせないように虫を集めながら村の外れまで行き、たいまつを燃やします。
 亡くなった人の霊をあの世へ送るお盆の行事でした。

<わらで作ったたいまつや提灯を持っている>

<田村にも「かんこ踊り」があるよ>

田村のかんこ踊りの写真です
 田村のかんこ踊りは、かんこをたたきながら踊ります。
 10月の秋祭りに踊ります。
 「お米がたくさんとれました。神様・ご先祖様ありがとう」という思いをこめて神様・ご先祖様が喜んでくれるかんこ踊りをします。 踊る人も太鼓をたたく人・ほら貝を吹く人・笛で演奏する人・唱う人・飾りを準備する人・見る人みんなが楽しい行事です。
<傘かぶってだれかわからへん>
 岩森も長明寺も徳原も昔はかんこ踊りをしていました。今は踊る人が少なくなって踊らなくなりました。
 8月に踊る地区もあれば、10月に踊る地区もある。かんこをたたきながら踊る地区もあれば、かんこをたたかない地区もある。このように、同じ校区内でも地区によって踊りがちがいます。
 でも、神様やご先祖様が喜んでくれたらいいなあ。楽しいことをしてみんなで喜び合おう。というように住む人みんなが仲良くしていけたらいいという願いはどの地区も同じです。


<行事とくらし>

どんな行事があるか、考えています
 3月3日  ひなまつり
 5月5日  端午の節句
 7月7日  たなばた

 行事は1年間のくらしの中にたくさんあります。どの行事も人々が豊かに楽しく暮らせますようにという人々の願いが込められています。
自分1人のためではなくみんなのために行事を伝えていくことが大切です。
<みなさんが伝えていってください>
 ☆ みんなの周りにある行事について、周りの人に聞いてみましょう。
  • どんな行事があるか?
  • いつ、なんのためにするのか?
  • どんなふうにしているか?
 ☆ 行事を伝えていくために、皆さんができることです。


<質問に答えて>


 地域に伝わる行事に興味を高めた子どもたちから、いろいろな地区の行事を比べた質問が多く出されました。
 一番古い、一番楽しい、一番有名な祭りは?
というような質問でした。

 家に帰って地域の行事について家の人に聞いたり、今日学んだことを伝えたりしたことでしょう。
質問をしています
<一番古い祭りはいつ頃か?9000年前!!>

<間近に資料を見て>

子どもたちがほら貝を触っています 先生がかんこを持っています
<どんな音がするのかなあ> <先生がかんこ踊りに挑戦!!>

子どもたちの感想から
  • 昔から続いているいろんな行事を教えてもらいました。みんなの「楽しみ」だったり「ねがい」や「なぐさめ」の気持ちが込められているお祭りが多いと思いました。ぼくたちが大人になっても伝わっていればいいなと思います。ぼくも未来に伝えていきたいです。
  • 10年ぐらい前にかんこおどりをしていたらしいです。太鼓を持って歌いながら踊るそうです。盆踊りは踊りしかやらないけど、かんこおどりは歌も歌うからしてみたいなと思いました。あと、太鼓が軽いと言うことなので、ぼくもやってみたいなと思いました。次に、とうろう送りの話を聞きました。8月のお盆に行われていた、亡くなった人の魂を無事にあの世に送る行事で、大切にされてきた行事なんだと思いました。
  • 1番心に残ったお話(動画)は、かんこおどりです。かんこおどりの「かんこ」の意味は太鼓のことだそうです。太鼓を持って踊っている人たちの動画を見て「重そうだな」と思いました。でも、「この太鼓は軽いんだよ」と亀山さんが言っていたのでびっくりしました。最後に、太鼓とほら貝をさわらせてもらいました。太鼓は軽くてちょっとざらざらしていました。ほら貝は、外も中もツルツルで重かったです。「ブオー」と鳴るそうです。

提示資料

<実物資料>
   岩森のかんこ・岩森のほら貝

<画像資料>
   現在の亀山大市・60年くらい前の亀山大市・現在の亀山納涼大会
   60年くらい前の納涼大会・80年くらいまえの納涼大会

<映像資料>
   太田かんこおどり・田村燈籠送り・田村かんこおどり



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