海(うみ)に沈(しず)んだ関(せき)の地蔵(じぞう)さん
ある日(ひ)のこと、関(せき)の地蔵像(じぞうぞう)がなにものかに盗(ぬす)み出(だ)されました。人々(ひとびと)は手(て)をつくして探(さが)し回(まわ)りましたが、地蔵像(じぞうぞう)を見(み)つけることはできませんでした。地蔵院(じぞういん)の住職(じゅうしょく)が17日間(にちかん)食(た)べ物(もの)をたべるのをやめて祈(いの)りつづけると、夢(ゆめ)の中(なか)に地蔵(じぞう)が現(あらわ)れて「今(いま)は白子(しろこ)(鈴鹿市白子(すずかししろこ))の海(うみ)の中(なか)にいる」と告(つ)げました。住職(じゅうしょく)が白子(しろこ)に行(い)ってみると、漁師(りょうし)が「最近(さいきん)海(うみ)の中(なか)から光(ひかり)が出(で)ている」というので、光(ひか)るところに網(あみ)を入(い)れると地蔵(じぞう)の像(ぞう)があがりました。みんなは喜(よろこ)んで像(ぞう)を関(せき)に戻(もど)したということです。