2000年近く前にくらした人々は、粘土で色々な道具を作り、使っていました。調理器具・食器・保存容器などがありました。これらの道具は、基本的には同じ機能をもちながら、鉄や電気を使うことでだんだんと便利になっていきます。どのような変化があったのか比べてみましょう。
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60.羽釜
80年前(20世紀)亀山市歴史博物館所蔵(石見家資料)
火をおこしたかまどの上にかけて使いました。ごはんを炊くための道具です。今の炊飯器にあたります。これまで紹介してきた土器では、2コーナーの色々な形の甕・鍋が羽釜の前の姿です。
羽釜は、かまどにかけるために、鍋の中ほどに「つば」という羽がついています。つばの下は、かまどの中に入ってしまいます。下半分くらいが真っ黒にすすけているのはそのためです。
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羽釜
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61.電気炊飯器(ナショナル製)
60年前(20世紀)亀山市歴史博物館所蔵(倉田家資料)
昭和30年代〜40年代の炊飯器です。電気炊飯器の登場で、ごはんを炊くために火を使うことがなくなりました。
この炊飯器の釜には、1.8Lとカップ10という目盛りがあることから、一升炊きの炊飯器になります。炊き方には、「かたいめ」「やわらかめ」があり、釜の水の目盛りが2種類刻まれています。また、自動保温のスイッチがあることから、炊きあがった後、自動保温する機能がついていたこともわかります。
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62.蒸籠
70年前(20世紀)亀山市歴史博物館所蔵(北村家資料)
木でできた蒸し器です。もち米や団子などを蒸しました。今の蒸し器にあたります。現在では、電子レンジで使うシリコンスチーマーや電子レンジについている機能でも「蒸す」ことができます。これまで紹介してきた土器では、3コーナーの甑が蒸籠の前の姿です。
木製の蒸籠は、木枠の中に竹で編んだすのこを敷いて使います。蒸籠の一番下には、湯をわかした羽釜の上に置く「台す」があります。この台すには、穴があいています。この穴から蒸気があがり、蒸籠の中の食材が蒸し上がります。
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63.水甕
70年前(20世紀)亀山市歴史博物館所蔵(広森家資料)
水をためておくための大きな入れ物です。今は水道がありますから、料理をするとき、水を飲みたいとき、蛇口からすぐに水が出てきます。しかし、亀山市内に水道が作られたのは昭和30年代(60年前)〜50年代(40年前)にかけてでした。それまでは、井戸から直接くんだり水甕にためて使っていました。同じ役割を果たした土器は、5コーナーで紹介した大甕です。
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水甕
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